定年後60歳からの仕事とお金の事情

金融庁の「老後30年間で約2,000万円が不足する」という試算で論議が沸き起こった老後2,000万円問題。実際のところどうなのでしょうか?(株)カケハシ スカイソリューションズが実施した「定年後の仕事とお金に関する調査」結果から、60歳からの仕事とお金の事情を見てみたいと思います。

定年後60歳からの仕事事情

定年退職の時期が延びているとはいえ、60歳のところがまだまだ多いのが実情。年金受給年齢65歳までの5年間と、年金受給開始以降、働き方に違いはあるのでしょうか?

60代の人を対象に「定年退職後に仕事をしていますか?」というアンケートでは、60代全体では働いていない人が34%、働いている人が56%。

しかし、年金受給年齢前と後で区切ってみてみると、年金受給前の60~64歳では、78%の人が働いており、そのうち51%の人が「継続雇用制度」を利用して仕事をしていることがわかります。

定年後60歳からのお金事情。みんないくら稼いでいる?平均月収

それでは、月々いくら稼いでいるのでしょうか。月の平均月収は、2人以上の世帯では20~30万円、1人世帯、2人世帯では10~20万円が最も多いという結果です。

生計を一にする家族の人数
1人
回答者のみ
2人3人4人5人以上
仕事から得る平均月収10万円未満4人
(1/3)
79人
(26/53)
26人
(15/11)
15人
(8/7)
1人
(1/0)
10~20万円未満31人
(16/15)
87人
(45/42)
43人
(24/19)
20人
(14/6)
10人
(5/5)
20~30万円未満22人
(17/5)
82人
(56/26)
53人
(32/21)
27人
(18/9)
4人
(4/0)
30~40万円未満6人
(5/1)
35人
(21/14)
24人
(15/9)
9人
(6/3)
4人
(2/2)
40~50万円未満1人
(1/0)
16人
(9/7)
15人
(12/3)
4人
(4/0)
3人
(3/0)
50万円以上4人
(3/1)
30人
(18/12)
14人
(11/3)
11人
(8/3)
1人
(1/0)
※下段( )は年齢別内訳(60~64歳/65~69歳)

定年後60歳からの雇用形態

生活を維持するために、家族の人数が多ければそれなりの額を稼いでいるということになりますが、定年後はどんな雇用形態なのでしょうか。「働いている」と回答した727人に雇用形態を質問し、60代前半と後半に分けて多い順に並べてみると、嘱託・契約社員が最も多いことがわかります。正社員と合わせると60~64歳では78%に。定年前からの職種の質問では、圧倒的に多かったのが「再雇用で定年前と同じ職種」で、再雇用を利用している人が多いことが伺えます。

 60~64歳
雇用形態
60~64歳
割合
65~69歳 
雇用形態
65~69歳 
割合
1嘱託・契約社員49%嘱託・契約社員37%
2正社員29%パート・アルバイト29%
3パート・アルバイト14%正社員22%
4自営・個人事業主
・フリーランス
6%自営・個人事業主
・フリーランス
6%
5その他2%その他3%

定年後60歳からの支出

定年後60歳からの支出は、どれくらいでしょうか。1人世帯では10~20万円、2人以上の世帯では20~30万円が最も多いようです。

生計を一にする家族の人数
1人
回答者のみ
2人3人4人5人以上
ひと月あたりの世帯支出10万円未満34人
(15/19)
28人
(17/11)
8人
(6/2)
3人
(1/2)
0人
(0/0)
10~20万円未満64人
(28/36)
171人
(80/91)
66人
(32/34)
28人
(15/13)
5人
(4/1)
20~30万円未満20人
(14/6)
178人
(73/104)
78人
(41/37)
34人
(20/14)
8人
(4/4)
30~40万円未満7人
(5/2)
55人
(25/30)
50人
(25/25)
20人
(9/1)
5人
(2/3)
40~50万円未満3人
(1/2)
19人
(10/9)
10人
(9/1)
7人
(3/4)
4人
(4/0)
50万円以上1人
(1/0)
11人
(5/6)
8人
(4/4)
4人
(1/3)
3人
(1/2)
※下段( )は年齢別内訳(60~64歳/65~69歳)

ひと月あたりの世帯支出は60~64歳より65~69歳のほうが増えています。一方月収はその逆です。定年退職から年金受給までの5年間は生活のために働き続け、年金受給したらペースを落として働くというスタイルが多そうですね。

定年後と仕事とお金のアンケート調査概要

調査名 :定年後の仕事とお金に関するアンケート調査調査調査方法:ジャストシステム株式会社「Fastask」を用いたインターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2023年2月21日~3月1日
調査対象:60〜69歳の男女1100人
調査元 :株式会社キュービック

画像引用元:株式会社カケハシ スカイソリューションズプレスリリース

参照:定年後の仕事とお金の実情を1100人に独自調査!セカンドキャリアをどう考える?

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