月3億5千万売り上げる新たなビジネスモデル「スタンプ」

「LINE」というスマートフォン無料電話アプリがある。

無料通話ができるだけではなく、複数でチャットできるグループ機能やスタンプなどがうけて、先月には「LINE」の登録ユーザーが７千万人を突破したと発表された。

世間でも何かと話題になっているので、その存在はご存じの方も多いだろうが、実はこの「LINE」が新たなビジネスモデルを生み出している。

それが「スタンプ」。

実際に利用されていない方には、ピンとこないワードだろう。

「スタンプ」は、メールなどで使われる絵文字のイラスト版とでも言ったらいいだろうか。

感情などを表す様々なスタイルやキャラクターがあり、文字で「嬉しい」と打たなくても喜んでいる表情をしたスタンプを打つだけで相手に自分の気持ちを伝えることができるというものだ。

現在3200種類ものスタンプがあり、各170円で販売されている有料スタンプの売り上げは、9月で単月3億5000万円を突破。「LINE」の人気を支えているとともに「スタンプ」は稼ぎ頭でもある。

さらにこの「スタンプ」には「スポンサードスタンプ」というものもある。スポンサードスタンプは、企業がお金を出し、ユーザーは無料で利用できるというもので、いわゆる広告にあたる。料金は4週間の掲載期間で1000万円。しかし、1週間に多くて2社という広告枠、年内はすでにいっぱいだそうだ。

「LINE」のもつ特徴のひとつに、アクティブユーザー率の高さがある。月間のアクティブユーザー率は86.1％、1日あたりのアクティブユーザー率も50.0％に上る。

しかもユーザーは3週間に500万人ペースで増え続けているそうだ。

「スタンプ」は、言葉にするよりも、感情がストレートに表現できて、それでいて言葉よりも柔らかい感じがする。また、言葉よりもイラストのほうが、受け手が受ける印象の幅が広がるように思う。それが、曖昧さを好む現代人にマッチしているのかもしれない。

いずれにせよ「LINE」を取り巻く環境は、驚くほどのスピードで変化している。数年前「mixi」が大流行してSNSが乱立したことを思い出す。ほんの数年で劇的変化を遂げるITの世界。半年後、1年後は、さて、どうなっているのだろうか。