NTTドコモは、スマホのカメラを利用して、脈拍を測定し、脈の揺らぎを測定するアプリ「HearTily(ハーティリー)」を公開しました。
恐い脳梗塞の原因でもある「不整脈」の早期発見に
脳梗塞を発症した患者のうち約3割は、不整脈のひとつである「心房細動」により心臓の一部に血液が滞留し、それにより発生した「血栓」が脳の太い血管に運ばれ詰まることが原因ということがわかっています。しかし、脳梗塞患者のうち、事前に心房細動の疾患があると診断を受けていた人は5割程度です。
なぜ5割程度なのかというと、一過性であったり不定期に発生したりするため日常生活の中で発見することは困難だからです。しかし、心房細動は、日本で70万人以上の人が発生していると推定されています。
そのため、このアプリで毎日測定することで、脳梗塞の原因となりうる心房細動をはじめとする不整脈を早期に発見することにつながるのではないかと、期待されています。
「HearTily(ハーティリー)」の使い方
難しいことはないのですが、脈を測定するための、カメラへの指の当て方に、最初は戸惑うかも知れません。
最初にアプリを開くと「指の当て方」とういページが表示されます。
しかし、スマホに不慣れだと、これだけでは、わかり難いかも。
上記の写真で、測定に使用している指は人差指です。
スマホの裏面についているカメラとフラッシュを、人差指で軽くふさぐようにします。
指の当て方さえわかれば、あとはわかりやすい画面なので、表示に従えば問題ないと思います。
私も測定してみました。
脈のゆらぎ、脈拍の測定結果はどう見る?
脈拍は、50/分以上100/分未満、脈のゆらぎは10%未満が理想的。
10%以上の揺らぎが繰り返し測定される場合は、脈の測定方法(指の当て方など)がうまくできていないか、または不整脈の疑いがあるとのことです。
東京大学医学部附属病院の臨床研究にも
このスマホアプリ「HearTily」は、東京大学医学部附属病院とNTTドコモが連携して開発・提供。このアプリを用いて不整脈と生活習慣病の関連性を解析する臨床研究が行われます。
日常生活内で1日1回、継続的に記録された脈拍の情報とスマートフォン内に記録される運動量等の生活情報を組み合わせた大規模なデータを解析することによって、不整脈と生活習慣病の関連性を調べ、不整脈の発生を予測することへの応用に役立てる臨床研究が行われるとのこと。
日常生活の中で心房細動を早期に発見できれば、脳梗塞のリスクを発症前に検知できる可能性が増えるのではないでしょうか。
データは分析する前に、氏名、住所、生年月日などの個人情報は削除されたうえで活用され、厳重にデータは保管するということなので、自分の健康管理とともに、臨床実験で将来の病気予防のお役に立てればいいですね。
「HearTily」は、Apple社が提供するResearchKitを用いて開発されているので、iPhoneバージョンのみで、残念ながら、Android版はありません。
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