comm登場から約8カ月で運営体制を縮小、積極的会員獲得に終止符
6/26日経ビジネスによると、DeNAは無料通話アプリ「comm」の運営体制を大幅縮小、今後の積極的な会員獲得をやめる方針だということだ。
日経ビジネス記事によると
「ディー・エヌ・エー(DeNA)がLINE(ライン)対抗で投入した無料通話アプリ「comm(コム)」の運営体制を大幅に縮小していたことが本誌取材で明らかになった。最大時で約70人を開発や運用、保守に当てていたが、6月初旬までに数人体制へと縮小を決めたもよう。今後、積極的な会員獲得を目的としたプロモーション活動はやめる方針だ」
とのこと。
一時は吉高 由里子を起用したCMを流すなど、積極的なプロモーションを行ってきた「comm」。
つい最近、トーク画面で大富豪・麻雀・ポーカーが楽しめる、トークゲーム機能を登場させたばかりなのだが、もはやここまでという経営判断なのだろうか。
そもそも出だしから、名前と顔写真が丸見えだったり、機械的な退会方法が用意されていないなどといった不具合を連発し、「commは危険」というイメージを与えてしまったことが大きな敗因だろう。
なぜなら、commは「実名登録」させているからだ。
また、commの目指すところがよく見えなかった。
LINEは「Facebookなどと異なり身近な人とのつながりをもつアプリ」を目指して、閉鎖的なSNSとしてつくられている。
しかし、commは、実名登録にした理由を「Facebookも実名で抵抗感がなくなっているし、誰かがわかりやすい」としている。
誰だかわからないような人は、身近な人なのだろうか?
commはFacebookのような開かれたSNSと、LINEのような閉鎖的なSNSを混同しているように思える。
さらには、先行している「LINE」に、勝る部分が見当たらなかったことも会員数を伸ばせなかった一因だろう。
当初のCM「commでもいいじゃん」というフレーズは、自らもLINEを超えていないことを認めているともいえる。
多分多くのLINEユーザーが試しにcommを使ってみたはずだ。
しかし、カカオトークの5人同時通話などといった、LINEにない機能もなく、セキュリティにも不安が残るアプリ。
要するに、「未完成な二番煎じアプリ」の印象をぬぐえないまま、今日に至ったわけだ。
しかし、DeNAにはモバゲーという強い市場があるから、これとうまくコラボして、面白いアプリになるかもしれないと秘かに期待していたのだが、最後まで別建てだったということか。commが登場したのは、昨年の10月23日。約8ヶ月目にして、ちょっと残念なニュースだ。
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