総務省が「端末0円」での販売を禁止するガイドラインを制定する方針というニュースが報じれらました。
これは、スマートフォンなど携帯電話の通信料金を引き下げるために、過剰な値下げによる「実質0円」「一括0円」での販売を禁止するというもの。
違反した事業者には業務改善命令を出せるようにして実効性を確保するとのことです。
実質0円とは
実質0円とは、携帯・スマホ端末を分割払いで購入すると、通信費から、端末の分割払い料金と同額程度の割引がうけられるというもの。割引は、ドコモは「月々サポート」、auは「毎月割」、ソフトバンクは「月月割」という名称です。
これらの割引の問題点は、
割引適用の料金プランに加入しなければ適用されない。
割引額は常に変動するため、実質0円適用の携帯・スマホは頻繁に変わる。
など。
つまり、情報を常にチェックし、理解していなければ、割引を最大限に受けられないことがあります。知っている人だけが得をするところが問題点ともいえます。
一括0円とは
販売促進費なるキックバックを利用し、不必要なオプションをつけるかわりに、端末代金を「0円」にするというのが、「一括0円」。
「一括0円」は、正真正銘のスマホ・携帯端末が無料という販売形態です。
型落ちの機種や、販売推奨機種が一括0円として販売されることが多いようです。
一括0円も、情報チェックが必要なので、知っている人だけが得をする、ということになります。
「実質0円」「一括0円」での販売禁止によるメリット
今回のニュースで報じられた、「端末0円」での販売を禁止し、通信料金を引き下げるということは、端末の料金を通信費から割り引く形を、ストレートに通信費の値下げにするということ。特定の人だけが得をしたり、損をしたりすることがなくなり、複雑な料金体系も、少しはすっきりするのではないかと思います。
難解な料金体系がスッキリして、誰にでもわかりやすくなるといいですね。
また、乗り換えユーザーばかりが重視されている販売形態から、長年のユーザーをもっと大切にする方向に舵をきってもらえることも期待したいです。
「実質0円」「一括0円」での販売禁止によるデメリット・問題点
通信料金が値下げされるのは喜ばしいことですが、それに伴い端末代金が「0円」では入手できなくなる方向に進むのではないかと思われます。
また、「実質0円」だけではなく、以前から問題視されていた、販売促進費なるキックバックを利用し、不必要なオプションをつけるかわりに、端末代金を「0円」にするという「一括0円」についても、なくなるということ。
これからは「端末料金が有料」になることになります。
今回のメスが入ったことで、改善を期待したいのですが、端末料金を割引されていた分が、そのまま、まるっと通信料金割引につながるか、その点が不透明。
結局は、ユーザーが負担する金額総額が、高くなるのではないかと、危惧します。
また、「行き過ぎた値引き」とは、曖昧な表現ですが、どんな基準ができるのでしょうか?
端末0円ではない、たとえば、「一括○○円」。
どこまでがルール違反で、どこまでがセーフなのでしょうか?
現行の他社からの乗り換えユーザーを重視している販売体制を一掃・見直ししなければ、根本的な解決にはならないように思うのですが、今後の行方を見守りたいと思います。
【参照記事】
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