かつてスマホで手軽にテレビを見られた「ワンセグ」機能。最近のスマホには搭載されなくなりました。なぜなのでしょうか?そして、ワンセグなしでスマホでテレビを見るにはどうしたらいいのでしょうか?
この記事では、ワンセグ機能が消えた理由と、無料・有料の代替テレビ視聴サービスを詳しく紹介します。スマホでテレビを楽しみたい方必見の情報をお届けします!
ワンセグ機能が消えた理由
ワンセグ機能がスマホから消えた理由には、いくつかの要因が重なっていると思いますが主なものをピックアップしてみました。
技術の進化とデータ通信の高速化
スマホのデータ通信技術は急速に進化してきました。4G LTEの普及により、高速なデータ通信が可能になり、動画ストリーミングが一般的になりました。さらに、2020年代には5Gが導入され、データ通信速度がさらに向上し、大容量データの送受信が容易になりました。この進化により、インターネット経由での動画視聴が主流となり、ワンセグのような地上波デジタル放送の必要性が減少しました。
スマホのハードウェア設計とコスト
スマホには、限られたスペースに多くの機能を搭載する必要があります。また、ワンセグチューナーを内蔵することで、スマホの設計が複雑化するだけではなく、製造コストが増加します。
ユーザーの視聴スタイルの変化
ユーザーの視聴スタイルも大きく変化しました。以前は、テレビ放送をリアルタイムで視聴することが一般的でしたが、現在ではオンデマンドで好きな時間に視聴できるストリーミングサービスが人気を集めています。このため、リアルタイムの地上波放送を視聴するためのワンセグ機能の需要が減少しました。
NHKの視聴料金に関する法改正
NHKの視聴料金に関する法改正も、ワンセグ機能の消滅に影響を与えました。2024年5月、NHKの番組のインターネット配信をテレビ放送と同様に「必須業務」に格上げする改正放送法が成立しました。この改正により、スマホやパソコンでのNHK番組視聴も受信料の対象となることが明確化されました。このため、ワンセグ機能を搭載するスマホの需要がさらに低下したと推察できます。
ワンセグ機能が消滅した時期と最後の機種
ワンセグ機能が搭載されたスマホは、2020年代初頭にほぼ消滅しましたが、2022年2月に発売された「らくらくスマートフォン F-52B」はワンセグを搭載している最後の機種の1つです。この時期以降、主要なスマホメーカーは新しいモデルにワンセグチューナーを搭載しなくなりました。
ワンセグとAndroidとiPhoneの対応
Androidスマホには、多くの機種でワンセグ機能が搭載されていました。特に日本市場向けのモデルでは、ワンセグ対応が一般的でした。しかし、iPhoneにはワンセグチューナーは内蔵されていませんでした。iPhoneユーザーの割合が多い日本では、この違いも、ワンセグ機能がスマホから消滅していくことに影響していると考えられます。
ワンセグに代わる現代の視聴方法
ワンセグがスマホから姿を消した後、現代の視聴方法は主にストリーミングサービスやオンデマンド配信に移行しました。ここでは、無料の視聴方法と有料の視聴方法に分けて、それぞれの具体的なサービス内容とデータ消費量について詳しく説明します。
無料の視聴方法
TVer
無料で視聴できる条件:
- 放送後一定期間内(通常7日間)に視聴することができます。
- 広告視聴によって無料で利用できます。
対応デバイスなど
- PC、スマートフォン、タブレット、スマートテレビ、ストリーミングデバイスなどで視聴可能。
- 日本国内でのみ視聴可能です。
- データ消費量:1時間視聴で約0.5GB(標準画質)、1.5GB(高画質)
YouTube
公式チャンネルによる配信:
- テレビ局や制作会社が運営する公式チャンネルでは、一部のテレビ番組やハイライト、特別エピソードが無料で公開されています。
- 例: NHK、フジテレビ、テレビ東京などの公式チャンネルでは、番組のハイライトや一部エピソードが視聴可能です。
見逃し配信や特別配信:
- 一部の番組は、放送後に一定期間無料で視聴できることがあります。
- 例: TBSの「逃げるは恥だが役に立つ」などの人気番組が特定期間無料配信されることがあります。
データ消費量:1時間視聴で約0.3GB(標準画質)、1.5GB(高画質)
有料の視聴方法
Netflix
- 広告なしのサブスクリプションサービスで、映画、ドラマ、アニメ、オリジナルコンテンツが充実しています。
- 月額料金で全てのコンテンツが視聴可能です。
- データ消費量: 1時間視聴で約1GB(標準画質)、3GB(高画質)
- 利用料金: 月額790円(広告付きベーシックプラン)、月額1,490円(スタンダードプラン)、月額1,980円(プレミアムプラン)
Amazon Prime Video
- Amazonプライム会員向けのストリーミングサービスで、映画やドラマ、オリジナルコンテンツを提供しています。
- 月額または年額料金で視聴可能です。
- データ消費量: 1時間視聴で約0.8GB(標準画質)、2.5GB(高画質)
- 利用料金: 月額600円、年額5,900円(Amazonプライム会員費に含まれる)
Hulu
- 海外ドラマや映画、日本のテレビ番組も視聴可能な広告なしのサブスクリプションサービスです。
- 月額料金で豊富なコンテンツが楽しめます。
- データ消費量: 1時間視聴で約0.7GB(標準画質)、3GB(高画質)
- 利用料金: 月額1,026円
オンデマンド配信の利用
オンデマンド配信とは、インターネットを通じて、視聴者が希望するコンテンツを好きな時間に視聴できるサービスです。映画、テレビ番組、アニメなどが含まれます。
U-NEXT
- 日本のVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスで、映画、ドラマ、アニメ、書籍も提供しています。
- 月額料金で見放題、一部レンタル作品もあります。
- データ消費量: 1時間視聴で約1GB(標準画質)、2.5GB(高画質)
- 利用料金: 月額2,189円
AbemaTV
- テレビ番組のライブストリーミングとオンデマンド配信を提供しています。一部コンテンツは無料で視聴でき、プレミアムプランで広告なしの視聴が可能です。
- データ消費量: 1時間視聴で約0.6GB(標準画質)、1.5GB(高画質)
- 利用料金: プレミアムプラン月額960円(14日間の無料トライアルあり)
まとめ
ワンセグ機能がスマホから消えた背景には、技術の進化やデータ通信の高速化、スマホのハードウェア設計とコスト、ユーザーの視聴スタイルの変化、そしてNHKの視聴料金に関する法改正など、さまざまな要因が絡んでいます。これらの要因が重なり、ワンセグ機能は次第に必要性が薄れてきました。
一方で、ワンセグに代わる視聴方法として、ストリーミングサービスやオンデマンド配信が普及。特に、TVerやYouTubeなどの無料サービスは、広告視聴を条件に多くのテレビ番組を視聴できるため、多くのユーザーに支持されています。さらに、NetflixやAmazon Prime Video、Huluなどの有料サービスは、広告なしで高品質なコンテンツが提供され、オンデマンド配信の利便性を享受できるため人気です。
データ通信の面でも、無制限データプランや5Gの導入により、高速かつ大容量の通信が可能となり、ストリーミングサービスの利用が一層快適になりました。
今後も、ユーザーのニーズに応じた新しいサービスや技術の進化が続くと期待されます。
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