シニア(60~79歳)にiPhoneが売れている?Engadgetの情報は正しいのか?シニアデータの信頼性

シニアスマホが売れていない?

シニアは約半数がiPhoneを使っている?

違和感を覚える記事は346件(6/23現在)もシェアされていました。この記事の真偽と、シニアの調査について、チェックしてみました。

シニアは46%もiPhoneを使っている?「Engadget」のニュースが誤りだと思う理由

シニア向けスマホがシニアに全く売れてない件。シニアはiPhoneが46%、Android首位Xperia〜MMD研調べ

「シニアの約半数がiPhoneを使っている」というニュース。いつのまにシニアにiPhoneが広く普及していたのか?記事を読み進めると、数字の取り扱いを間違えている誤情報の類だと思われます。

意図的にiPhone、Androidユーザーを半々にして調査している

記事の中に「iPhoneユーザーが329人、Androidが394人となりました」とありますが、数字を引用しているMMD研究所の元データを確認すると、この比率は意図的なものと思われます。

その理由は、この調査は予備調査と本調査が実施されていて、予備調査での結果を見ると、60代だけでも調査対象3,263人の50.8%=1,657人がスマホユーザー数となり、「スマートフォンを利用していたのが723人」よりはるかに多い人数が存在します。

つまり、「MMD研究所」がiPhone、Androidユーザーを約半々にしたもの。予備調査のデータをもとに本調査ではユーザーを抽出した数字と推察できます。

iPhoneのメーカーはアップル1社のみ

また「アップルだけで46%」とありますが、iPhoneはアップル社しか製造していないので、調査対象を抽出した時点で確定する数字。

一方、Android製のスマホを製造している会社は多数あるので、ユーザー数割合が少なくなるのは当然です。

 

つまり「シニアの46%がiPhoneを使っている」は、根拠がない情報ということになります。

 

シニアにシニア向けスマホは売れていないのか?

もうひとつのギモン「シニアにシニア向けスマホが売れていない」というのは、本当なのでしょうか。

シニアの全体像はネット調査ではわからない

この調査の調査方法 に目を向けてみると、方法は「インターネット調査」。

大前提が「ネットユーザー」であることがわかります。

ネット利用率は70代で53.5%

総務省のインターネットの普及状況調査によると、60~64歳は81.6、65~69歳は71.4%ですが、70代になると53.5%。

またネット利用者のうち、アンケート回答する人の割合は10%。

ここから見えてくることは、どんなことでしょう?

シニアのスマホ調査は、ネットでは難しい

私個人の体感では、シニアでスマホを持っていない層は、ネットもしていない人が多いように感じます。

家にインターネット回線がなく、ガラケーでもネット閲覧しない

この層が、シニア向けスマホのターゲットに多いというデータは、探せなかったので、あくまでも推測の域を出ないのですが、もし、私の推測が正しければ、ネットでのシニアのスマホに関する調査は、正しく反映されていないものがある、ということになります。

今回のMMD研究所「2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査」は、「ネットをよく利用しているシニア」のデータで、シニア全体の数字とするには、疑問を感じます。

 

以上のことから、「シニアにシニアスマホが売れていない」「シニアは約半数がiPhoneを使っている」ということは正しくないのではないかと思います。

 

いずれにせよ、大量にでまわる情報は参考程度に、「自分で確かめて」というのが大切ですね。

 

参照:2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査(MMD研究所)

インターネットの普及状況(総務省)

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