DeNAは、運営する医療情報サイト「WELQ」の全記事を11/29に非公開としました。

※12/1 DeNAの運営する他キュレーションサイトも「WELQ」に続き、非公開となりました。(12/1追記)

DeNA「WELQ」の問題点

「WELQ」は医療系のキュレーションサイトで、DeNAが2015年10月にスタートしたものです。「内容の信ぴょう性が薄い」「ほかのメディアからの無断転載をみられる内容が多い」との批判を受ける内容にもかかわらず、検索上位に多くの記事が表示されることが問題視されていました。

これに関して、東京都も問題視し、DeNAの担当者にお呼び出しがかかったようです。この問題はさらに広がりを見せそうで、DeNAだけではなく、医薬品に関する不適切な情報を掲載しているほかのサイトへの対応も検討しているとのこと。信ぴょう性のある情報の探しにくさが解消されそうです。

「WELQ」を含むDeNAのキュレーションサイトpallet

パレット

DeNAは、「WELQ」だけではなく、キュレーションサイトを「pallet」として複数運営しています。

その中のひとつのサイトで1か月ほど、キュレーターとして関わり、いくつかの問題点を感じたので記します。

内容はどうでもいい。SEOだけが重要視される記事

「素人が記事を作成している」

ということが問題のひとつとなっていますが、その通り!

一緒に研修を受けたメンバーは、記事を書いたこともなく、ましてや専門家でもない、フツーの主婦でした。

そんな素人でも書き手となれるしくみが用意されていました。

記事構成、つまり見出しと、入れ込みたいキーワードは指定

素人が記事を作成できるよう、見出しと、キーワードが用意されていました。アクセス数を稼ぐために、SEO対策として、見出しと、入れ込みたいキーワード、文字数がとても重視され、内容は二の次。「キュレーター」は、本文と画像を入れる作業をします。

ただし、この根幹となる「記事構成」も、ネットに転がっているいくつかのサイトを参考に、素人が作っている匂いプンプン!参考にしただろうサイトがすぐに探せました。しかも、いちいち「おい!違うだろっ!」という誤情報が含まれている状態。

 

根幹となるものでさえ、内容チェックできていない状況に、唖然としました。

 

さらに、SEO対策から指定されているワードが読者を裏切るような形で指示されていて、ものすごく違和感を感じました。

たとえば、「リウマチ」の記事は、「完治」が指定ワード。

おそらくリウマチ患者が、完治したいと思い、検索した結果、そのワードが上位になったものと思います。

しかし、調べてみると、リウマチは完治が難しく、「寛解」を目指して現在は治療が行われている模様。なのに、完治したいという読者の期待を裏切る内容にもかかわらず、「完治」を見出しの随所にバラまいている記事構成。読者の視点は全く考えていないサイトなのだと思いました。

パクりじゃない?リンクを貼らずに、自分の言葉で書き直せと

本文を執筆するにあたって、専門知識のない内容は、当然ながら参考にするサイトがあります。例えば、データを参考にした場合、参考サイトとしてリンクをはると思いますが、リンクは削除され「自分の言葉になおして記事を書き直すように」との指示で戻ってきました。

ビックリです。

 

また、マニュアルには、パクリとなってしまうNG表記例とOKの表記例があり、他サイトを参考にすることを前提にしていることから、ここが問題箇所かもしれません。

内容の真偽は、ほぼノーチェック

記事が仕上がると、チェックを依頼するのですが、そのチェッカーも素人。チェックした人の名前をググったら記事が表示されたので、おそらく先輩キュレーターがチェックしていたのではないかと思います。

しかも、このチェッカーさん、内容の真偽はノーチェック。というより、「記事構成」に沿ってチェックするらしく、「記事構成」の誤りを修正して、チェックに出すと、「間違っているので修正してください」と、間違っている内容に戻せと、返ってくる!

あぁ、内容は誰もチェックしていないんだなぁ、と悟りました。

大切なのは、キーワードが入っているか、とか、画像は適切か、とかそんなこと。

責任をだれも取らない、ライターだけが損をする

編集部は、私の関わった記事については、ほぼノーチェック。

間違った内容の記事構成があった場合は、チェッカーと編集部、両方に連絡し了解をとらなければなりません。

「間違っている」とこちらから指摘しなければ、動かない編集部って、どうなんでしょう?

 

このpalletにかかわらず、WEB系の編集部って、内容は二の次、SEO、アクセス数だけが大事という印象を受けます。

ただし、チェックも編集がかかわらない会社は、初体験でした。

 

しかも、記事に関して、いざこざが起きても、会社は一切関知しないどころか、その損害額をライターに賠償させようという、契約になっています。

内容に責任を取らない編集部。

気を付けないと、ライターだけが大損することにもなりかねません。

訴訟が起きたら、会社は一切関知しないって、どうよ。契約内容にはご注意を

成果物の権利は会社に帰属

業務委託契約書の「権利の帰属」部分をみると、

成果物にかかる著作権は及び産業財産権は、その発生と同時にライターから会社へ譲渡される

とあります。また加えて契約期間外でも、著作者人格権を行使してはいけないともあります。

 

つまり、記事の権利、帰属は100%DeNAにある、ということです。

業務上生じた紛争はライターが自力・自腹で解決し、DeNAが負った損害も賠償せよ

権利は、貴方のものではなく、もらったから渡さないよ、と言っているのに、別条項で「第三者との紛争はライターの費用と責任で解決しろ」という項目が業務委託契約書には、あります。

おまけに、会社が損害を負った場合には、その損害(弁護士費用および訴訟費用を含む)をもライターが賠償しろ、ともあります。

 

つまり、おいしいところは会社が奪い、不利なところはすべてライターに押し付けるってことですね。

何かと話題の著作権問題。ライターだけに責任押し付けるって何だよ(怒)!

 

情報サイトとの区別が難しいサイト体裁が読者を混乱させる?

そもそも、これらのDeNAサイトはキュレーションサイトなのでしょうか。

一見、情報サイトとの違いが、わかり難くいです。

作業内容としても、キュレーターというより、ライター業務ですし、情報源のリンクをはることを嫌っている点からも、情報サイト偽装したキュレーションサイトとでもいうべきかもしれません。

 

 

情報サイトのような体裁で、中身はキュレーターと名乗れば、多少のパクリも許される隠れ蓑になる、そんな運営側の考えが見え隠れしているように思います。

 

最低限の人員、時間で、Google検索だけを意識し、読者をないがしろにした記事を量産。ネットを占領する。

まったくずる賢い方法を編み出したものだと、驚愕したのですが、それなりの制裁が下って、ほっとしています。

 

 

兎にも角にも記事の大量生産と、検索上位が目的のサイト。

これらが淘汰されてほしいと、ひっそりと願っています。